【特定技能受入れガイド 第3回「人材の探し方(登録支援機関・求人ルート)」】

はじめに

業種・業務区分の確認ができたら、いよいよ「どこで人材を探すか」という段階に入ります。特定技能外国人の採用には複数のルートがあり、それぞれにメリットと注意点があります。また、採用活動と並行して「登録支援機関」との関係についても理解しておく必要があります。この回では、人材の探し方の3つのルートと、登録支援機関の基本的な役割・活用法を整理します。

    


❶ 人材を探す3つのルート

【ルート①】登録支援機関・人材紹介会社への依頼

最も多く活用されているルートです。登録支援機関とは、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関であり、行政書士事務所・社会保険労務士事務所・民間企業など多様な事業者が参入しています(2026年3月時点で全国に約1.1万件以上が登録)。

多くの登録支援機関は、支援業務の受託だけでなく人材紹介も兼ねているため、「採用+支援」をワンストップで依頼できる点が中小企業にとっての大きなメリットです。料金体系は成功報酬型が主流で、採用決定・入社のタイミングで人材紹介手数料(目安:年収の10〜20%程度)が発生します。初めての受入れであれば、このルートが最も安心感が高いといえます。

【ルート②】技能実習2号修了者・国内在留者の直接採用

すでに日本国内に在留している特定技能外国人や技能実習2号修了者を自社で直接採用するルートです。自社の元実習生や、前職で特定技能として就労していた方が同一分野内であれば転職できます。紹介手数料が不要なため採用コストを大幅に抑えられるのが利点です。

ただし、このルートでは在留状況・試験合格の有無・在留残期間の確認など、採用前のチェック項目が多くなります。

【ルート③】海外からの新規招へい(海外ルート)

現地の送り出し機関や提携エージェントを通じて、海外在住の人材を新規に招へいするルートです。トレーニングセンターで日本語・技能の訓練を受けた人材を紹介してもらうケースが多く、育成段階から希望条件に合った人材を確保できるという点がメリットです。

一方で、在留資格認定証明書の取得・ビザ申請・渡航費など、国内ルートに比べて手続きが多くリードタイムも長め(目安:4〜8か月程度)になります。また、人材紹介手数料も国内採用よりも高くなり、送り出し国によっては送り出し機関への費用が外国人材に過大に課されていないか確認する義務が受入れ企業にも生じます。

    


❷ 登録支援機関の役割と「全部委託」のしくみ

特定技能1号外国人を受け入れる企業は、法律により10項目の義務的支援を実施しなければなりません(事前ガイダンス・住居確保支援・生活オリエンテーション・日本語学習支援・相談対応・定期面談など)。

これらを自社だけで実施することが難しい場合は、登録支援機関に支援業務を全部委託することで、支援体制に関する基準を満たしているとみなされます。委託料の目安は1名あたり月額2〜4万円程度が相場です。

登録支援機関を選ぶ際の主なチェックポイント

  • 自社の分野・国籍の人材への支援実績があるか
  • 対応言語(ベトナム語・インドネシア語・中国語など)が自社のニーズに合っているか
  • 費用の内訳(初期費用・月額費用・更新手数料)が明確か

登録支援機関を「安さ」だけで選ぶと入社後のトラブル(早期離職など)につながるリスクがあります。以下の2点を確認してみてください。

  1. 「返金規定」があるか: 入社後3か月以内に自己都合退職した場合、紹介手数料の50%〜80%が返金されるか。
  2. 「支援費」に何が含まれているか: トラブル時対応など支援費の詳細を確認。

登録支援機関の選定が難しい場合や、複数社の比較に迷う場合は、特定技能制度に精通した行政書士などの専門家にご相談ください。

     


❸ 採用活動でよくある落とし穴

① 面接だけで在留資格の状況を確認しない 国内在留者を採用する場合、現在の在留資格の種類・在留期限・試験合格の有無を必ず書面で確認してください。「特定技能1号」の資格をすでに持っている方でも、通算在留期間の残り期間(原則最長5年。2025年9月30日の制度改正により一定要件を満たす場合は最長6年まで延長可能)を確認しないまま採用すると、想定より早く雇用が終了する事態になります。

② 分野・業務の一致確認を怠る 特定技能は「同一分野内」でのみ転職・雇用が可能です。前職が「飲食料品製造業」の方を「外食業」で雇用することはできません。在留資格の分野欄と自社の業種・業務が一致しているか、採用前に必ず確認しましょう。

      


この回のまとめ

  • 人材探しのルートは①登録支援機関・人材紹介会社、②国内在留者の直接採用、③海外からの招へいの3つ。初めての受入れには①が最も安心
  • 登録支援機関に支援業務を全部委託することで法定の支援義務を満たしたとみなされる。委託料の目安は1名・月額2〜4万円
  • 採用前に在留資格の種類・残存在留期間・分野の一致を必ず確認すること。見落とすと入社後に大きなトラブルになる