【特定技能受入れガイド第9回「各種届出の種類とスケジュール」】

 

はじめに

外国人材が無事に入社し、支援も順調に進んでいる。でも実は、受入れ企業にはもう一つ大切な義務があります。それが出入国在留管理庁への「届出」です。届出には「決まった時期に出す定期届出」と「何か変化があったときにすぐ出す随時届出」の2種類があり、どちらも怠ると罰則の対象になります。

さらに、2025年4月から定期報告のルールが大きく変わり、これまで3か月に1回だった提出が、年1回に変更されました。

担当者の事務負担が減る一方で、随時届出の対象範囲は広がっています。この回では、2種類の届出の内容・スケジュール・提出方法・よくある注意点を整理します。

  


❶ 届出には2種類ある

① 定期届出(年1回)

1年間の受入れ・活動・支援の実施状況をまとめて出入国在留管理庁に報告するものです。

② 随時届出(事由発生から14日以内)

雇用状況や支援計画に変更が生じたとき、その都度すみやかに届け出るものです。

この2つは別物ですが、混同されやすいため「どちらに該当するか」を常に意識して管理することが大切です。

    


❷ 定期届出 ── 年1回・翌年4〜5月が締め切り

提出頻度と締め切り

2025年4月1日から1年に1度の提出に変更となりました。対象期間(例:2025年4月1日〜2026年3月31日)の届出は、翌年の4月1日から5月31日までの間に提出する必要があります。

提出する主な内容

  • 外国人の受入れ・活動状況
  • 支援実施状況

提出は受入れ企業で対応

定期届出は特定技能所属機関(受入れ企業)が提出する必要があります。支援計画の実施を登録支援機関に全部委託している場合は、特定技能所属機関が委託先の登録支援機関から支援の実施状況を取りまとめて提出する必要があります。
その場合は、当該届出の支援の実施状況の部分について、登録支援機関と情報共有した上で、登録支援機関と連名で地方出入国在留管理局に提出してください。「登録支援機関がすべてやってくれる」と思い込んでいると大変なことになります。届出書類は必ず自社で作成・提出してください。

提出方法は3つ

  • 窓口持参:本社の住所を管轄する地方出入国在留管理局へ直接持参
  • 郵送:簡易書留など記録が残る方法で送付
  • オンライン:出入国在留管理庁の電子届出システムポータルサイトから提出(24時間365日対応)

オンラインで提出する場合は電子届出システムの事前登録が必要です。 登録には時間がかかる場合がありますので、早めに準備しておきましょう。

     


❸ 随時届出 ── 事由発生から14日以内が原則

随時届出は「何か変化があったとき」にすみやかに提出するものです。届出を怠ったり、虚偽の内容を提出したりすると、行政処分や罰則の対象となるリスクがあります。 どのような場合に届出が必要かを事前に把握しておくことが重要です。

随時届出が必要な主な場面

届出の種類該当するケース
雇用契約に係る届出雇用契約の変更・終了・新たな締結
受入れ困難に係る届出外国人材が働けない状態になった場合
支援計画変更に係る届出支援計画の内容・担当者・委託先を変更した場合
特定技能所属機関に係る届出会社の名称・所在地・代表者・役員等が変わった場合
基準不適合に係る届出受入れ機関が欠格事由に該当することになった場合

2025年4月からの主な変更点

2025年4月1日より、特定技能の在留資格が許可されてから1か月経過しても就労を開始していない場合や、雇用後に1か月活動ができない事情が生じた場合が新たに随時届出「受入れ困難に係る届出」の対象として追加されました。 採用後すぐに就労が始まらないケースでも届出が必要になった点は見落としやすいので注意が必要です。

また、2025年4月以降は特定技能外国人が自己都合で退職した場合の「受入れ困難に係る届出」は不要となりました。ただし雇用契約が終了した場合の「雇用契約終了に係る届出」は引き続き必要です。 退職届出は不要になったと誤解しないよう注意してください。

   

   


❹ 「定期面談」と「定期届出」は別物

混同されやすいポイントとして、定期面談と定期届出は別の義務であることを押さえておきましょう。

定期面談定期届出
頻度3か月に1回以上年1回
内容外国人材・上司との面談雇用・支援状況の書類報告
提出先なし(社内記録)地方出入国在留管理局

定期届出は1年に1回に変更になりましたが、特定技能外国人への支援の一つである定期面談は以前と変わらず3か月に1回行う必要があります。 「定期報告が年1回になったから面談も年1回でいい」は大きな誤解です。面談のスケジュール管理は引き続き3か月ごとに行ってください。

 

    


❺ 届出を怠った場合のリスク

届出を怠る、または虚偽の報告を行った場合、行政処分や罰則の対象となる恐れがあります。具体的には、罰金処分、特定技能外国人の受入れ停止、さらには在留資格の取消しといった措置が課される可能性があります。

うっかり忘れたでは済まされません。特に随時届出は事由が発生してから14日以内という短い期限が設けられています。変更が生じたらすぐに担当者に共有する社内ルールを整備しておくことが重要です。

 

    


この回のまとめ

  • 届出には定期届出(年1回・翌年4〜5月)と随時届出(事由発生から14日以内)の2種類がある。
  • 定期届出は登録支援機関に任せられない、受入れ企業が自ら提出する義務がある。
  • 定期面談(3か月に1回)と定期届出(年1回)は別の義務。面談の頻度は変わっていないので混同しないこと

   

    


次回予告

第10回「よくある失敗事例とトラブル対処法」

シリーズ最終回。特定技能受入れの現場でよく起きる失敗・トラブルのパターンと、その予防策・対処法を具体的に解説します。