【特定技能2号】業務内容の誓約書提出が義務化|外食業を例に令和8年8月20日からの変更点を解説
「特定技能2号の外国人材を採用したいけれど、特定技能1号や技能実習生との違いが明確にわからない。」
最近、このようなご相談が増えています。
出入国在留管理庁は、令和8年8月5日に「2号特定技能外国人の業務内容について」という案内を公表しました。これに伴い、令和8年8月20日以降の在留諸申請では、新たに「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」の提出が必要になります。
今回の改正は、特定技能2号の制度趣旨を明確にし、「熟達した技能」を有する外国人材が、本来の役割に沿った業務に従事していることを確認することを目的としています。
本記事では、外食業分野を例に、特定技能2号に求められる業務内容や、今回の変更点について分かりやすく解説します。
1.特定技能2号に求められる「熟達した技能」とは
特定技能2号の在留資格では、長年の実務経験などを通じて身につけた高度な技能が求められます。
政府の基本方針では、特定技能2号の水準について、次のように示されています。
- 自らの判断に基づいて高度に専門的・技術的な業務を遂行できること
- 監督者として現場を統括しながら、熟練した技能を発揮できること
つまり、単に業務を遂行するだけではなく、周囲を指導し、管理する役割まで担うことが期待されているのです。
また、各分野の運用方針では、「複数の作業員を指導する業務」「工程を管理する業務」などが定められています。
この点が、技能実習生や特定技能1号との大きな違いといえるでしょう。
2.外食業における特定技能2号の具体的な業務内容
外食業分野において、特定技能2号の外国人材が従事する主な業務は、次の3つです。
飲食物調理
- 食材の仕込み
- 加熱調理
- 非加熱調理
- 味付け
- 盛り付け
接客業務
- 来店客の案内
- メニューの提案
- 注文対応
- 配膳
- 下膳
店舗管理業務
- シフト作成・管理
- 求人・採用に関する事務
- 従業員の指導・教育
- 新人研修の実施
特定技能1号や技能実習生も、調理や接客の業務に従事します。
しかし、特定技能2号では、それらに加えて、店舗全体の運営や人材管理に関する業務を担うことが求められます。
例えば、シフト管理や新人教育、スタッフへの指導などを担当している場合は、特定技能2号に求められる役割に近いといえるでしょう。
3.令和8年8月20日から「誓約書」の提出が義務化されます
令和8年8月20日以降、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請などを行う場合には、**「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式)」**を提出する必要があります。
誓約書では、主に次の事項を確認することになります。
- 特定技能2号と特定技能1号、技能実習生との業務内容の違い
- 特定技能2号の外国人材が指導する対象者
- 実際に担当している管理業務の内容
つまり、「2号にふさわしい業務内容となっているか」を客観的に確認するための資料という位置づけです。
4.外食業における誓約書の記載例
例えば、ある飲食店において、特定技能2号の外国人材1名が、特定技能1号の外国人材2名と技能実習生1名を指導しているケースを考えてみましょう。
この外国人材は、
- 調理業務
- 接客業務
- シフト作成
- 新人教育
- 従業員への指導
を担当しているとします。
この場合、誓約書には次のような内容を記載することになります。
- 指導対象者の人数や属性
- 指導内容
- シフト管理や新人研修などの具体的な管理業務
- 特定技能1号や技能実習生との役割の違い
このように、単に「管理業務を担当している」と記載するだけではなく、実際の業務内容を具体的に示すことが重要になります。
5.誓約書の内容に誤りがあった場合のリスク
誓約書に記載された内容と、実際の業務内容に相違がある場合には、大きな問題につながる可能性があります。
特に、虚偽の申告があった場合には、
- 在留資格認定証明書交付申請が不許可になる
- 在留期間更新許可申請が不許可になる
- 在留資格が取り消される
- 特定技能所属機関の欠格事由に該当する
といったリスクも考えられます。
そのため、「形式的に書類を作成する」のではなく、「実際の業務内容を正確に反映する」という意識が重要です。
6.企業が今から準備しておくべきこと
今回の変更に備え、事業者は次の点を確認しておきましょう。
- 令和8年8月20日以降に在留諸申請を予定しているか確認する
- 特定技能2号の外国人材が実際に担当している業務を整理する
- 指導対象者や管理業務の内容を明確にする
- 特定技能1号や技能実習生との役割分担を見直す
- 各分野の業務内容(Job Description)との整合性を確認する
特に外食業では、日々の業務の中で役割が曖昧になりやすいため、この機会に業務範囲を整理しておくことをおすすめします。
特定技能2号の役割を改めて確認しましょう
今回の改正のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 特定技能2号には、指導・管理を含む熟達した技能が求められる
- 特定技能1号や技能実習生とは、業務の内容や責任範囲が異なる
- 外食業では、店舗管理業務が重要な役割となる
- 令和8年8月20日以降は、誓約書の提出が義務化される
- 記載内容と実態に相違がある場合は、大きなリスクにつながる可能性がある
特定技能2号は、単なる人手不足対策ではなく、現場を支える中核人材としての役割が期待されています。
だからこそ、「どのような業務に従事しているのか」「誰を指導しているのか」を明確にし、適切な運用を行うことが重要です。
「自社の運用が要件を満たしているか不安がある」「誓約書をどのように作成すればよいか分からない」という場合は、専門家へ相談することをおすすめします。
