【特定技能受入れガイド 第6回「在留資格申請の流れと必要書類一覧」 】
はじめに
雇用契約書・支援計画書の作成が終わったら、いよいよ出入国在留管理局への申請手続きです。ただし、申請の種類は採用する外国人材が「日本国内にいるか・海外にいるか」によって全く異なります。また、書類の量の多さに初めて直面して「何をどこに出せばいいの?」と戸惑う担当者の方がとても多い場面でもあります。この回では、申請の2つのルートとそれぞれの流れ・主な必要書類・審査期間の目安・よくある注意点を整理します。
❶ まず確認:申請の種類は「国内ルート」か「海外ルート」か
申請のルートは採用する外国人材がどこにいるかで決まります。
【国内ルート】在留資格変更許可申請
技能実習2号修了者・留学生・すでに特定技能で他社に在籍中の方など、現在すでに日本国内に在留している方を採用する場合の申請です。審査が通ると新しい在留カードが交付され、そこから就労開始となります。中小企業の最初の受入れはこのルートが最も多いケースです。
【海外ルート】在留資格認定証明書交付申請
海外在住の方を新規に招へいする場合は、まず日本国内で「在留資格認定証明書(COE)」の交付申請を行います。交付後、外国人材が現地の日本大使館・領事館でビザを申請し、来日して初めて就労開始となります。
大切なポイント 海外ルートでは、COEが交付されなければビザ申請自体ができません。COEの交付申請時点で雇用契約書・支援計画書を含む書類一式が審査されますので、書類の不備は採用のスタートラインに立てないことを意味します。
❷ 主な必要書類の全体像
書類は大きく①申請人(外国人)関係と②受入機関(会社)関係、そして③分野別追加書類の3種類に分かれます。出入国在留管理庁は「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」をホームページで公開していますので、これを印刷してチェックリストとして活用することをおすすめします。
申請人(外国人材)が用意する主な書類
- 在留資格変更(または認定証明書交付)申請書+写真1葉
- パスポートおよび在留カードの写し
- 技能評価試験の合格証明書(技能実習2号良好修了者は修了証明書・評価調書で代替可)
- 日本語試験の合格証明書(同上の方は免除)
- 住民税の課税・納税証明書
- 国民健康保険証の写しまたは健康保険・年金の加入証明書
受入機関(会社)が用意する主な書類
- 特定技能雇用契約書および雇用条件書の写し
- 支援計画書
- 登録支援機関との支援委託契約書の写し(委託する場合)
- 登記事項証明書(発行から3か月以内のもの)
- 直近の決算書(貸借対照表・損益計算書)または納税証明書
- 社会保険料の納付を証明する資料
- 分野別の誓約書(各分野の運用要領別冊に定められた参考様式)
分野別の追加書類(例)
- 建設分野:建設特定技能受入計画の認定通知書・JAC加入証明
- 介護分野:介護事業所の許認可証明
- 飲食料品製造・外食業分野:食品衛生法上の営業許可証
書類に関する共通ルール 外国語で作成された書類はすべて日本語訳の添付が必要です(翻訳者の氏名・連絡先の記載も必要)。また、登記事項証明書など公的機関が発行する証明書類は原則として発行日から3か月以内のものを使用します。住民票など、マイナンバーが記載されている書類はマイナンバー部分を必ず黒塗りしてから提出してください。
❸ 申請の流れとスケジュール感
STEP 1:書類の準備(目安:2〜4週間)
会社側・外国人側の双方が同時並行で書類を集めます。登記事項証明書や納税証明書など、公的機関で取得が必要なものは時間がかかります。在留期限の3〜4か月前には書類準備を開始するのが現実的なスケジュールです。
STEP 2:出入国在留管理局への提出
申請書類を管轄の地方出入国在留管理局に提出します。提出できるのは①本人、②法定代理人、③申請等取次者(行政書士・弁護士・登録支援機関・企業担当者で承認を受けた者)に限られます。
オンライン申請も活用できます
出入国在留管理庁の「在留申請オンラインシステム」を利用すれば、窓口に出向かず24時間365日申請が可能です。ただし、事前にシステムへの申込みとID発行手続き(目安:1〜2か月)が必要です。初めて利用する場合は早めに登録しておきましょう。
STEP 3:審査(目安:1〜3か月)
提出後、出入国在留管理庁による審査が行われます。審査では主に①外国人のこれまでの活動状況、②素行、③雇用条件の適正性、④各種税金・社会保険料の納付状況などが確認されます。
審査期間の目安は1〜3か月程度ですが、書類の不備があると「資料提出通知書」が届き、追加書類の提出を求められます。この場合はさらに時間がかかります。
STEP 4:許可・就労開始
【国内ルートの場合】 許可が下りたら、収入印紙で手数料を納付します(2025年4月1日改定後:窓口申請6,000円、オンライン申請5,500円)。新しい在留カードを受け取ったら就労開始です。
【海外ルートの場合】 在留資格認定証明書(COE)の交付申請は手数料が不要(無料)です。COEが郵送されてきたら外国人材の現地住所へ送付し、本人が日本大使館・領事館でビザを申請します。ビザ取得後に来日し、就労開始となります。
❹ スケジュール管理の落とし穴
在留期限切れに注意
国内ルートで申請する場合、在留期限内に申請が済んでいれば「特例期間」として在留期限後も審査結果が出るまで引き続き在留・就労することができます。ただし、在留期限を過ぎてから申請することは絶対に避けてください。不法残留となるリスクがあります。
書類の期限切れに注意
書類の準備中に、先に取得した登記事項証明書や納税証明書の「発行から3か月」が過ぎてしまうケースがよくあります。公的書類は申請直前に取得するか、取得のタイミングを計画的に管理しましょう。
書類の種類が多く、初めての申請では準備の全体像が見えにくいと感じることも多くあります。申請の段取りに不安を感じる場合は、行政書士などの専門家にご相談ください。
この回のまとめ
- 申請ルートは「国内在留者の在留資格変更」と「海外からの在留資格認定証明書交付申請」の2種類。海外ルートではCOEが交付されなければビザ申請自体ができない
- 書類は申請人・受入機関・分野別の3種類に分かれる。外国語書類には日本語訳が必要、公的証明書類は発行から3か月以内のものを使用すること
- 在留期限の3〜4か月前から書類準備を開始すること。オンライン申請の利用は事前のID取得(目安1〜2か月)が必要なため、早めの登録がポイント
次回予告
第7回「登録支援機関の選び方・委託のポイント」
登録支援機関とはどんな機関なのか、委託するとどんなメリットがあるのか、そして選ぶときに必ず確認すべきチェックポイントを詳しく解説します。
