【特定技能】飲食料品製造業分野の運用要領が改正|水産加工業が分離・2号に日本語要件も新設
令和8年8月28日、飲食料品製造業分野の運用要領が改正されました。令和9年4月1日から業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分割されるほか、2号特定技能外国人に日本語能力水準(B1相当以上)が新たに求められます。食肉小売業の対象追加など、実務に直結する変更も含まれています。本記事では改正内容を整理します。
目次
- 今回の改正の全体像
- 業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれる
- 2号特定技能外国人に日本語要件が新設
- 対象事業所に「食肉小売業」が追加
- 技能実習2号からの移行要件が整理
- 新設「育成・キャリア形成プログラム」
- 事業者が今から確認すべきこと
- よくある質問(FAQ)
1.今回の改正の全体像
「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-飲食料品製造業分野の基準について-」とは、飲食料品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる際の詳細なルールを定めた文書です。
令和8年8月28日、この運用要領が改正されました。
令和8年1月23日に閣議決定された新しい分野別運用方針(育成就労制度に係る方針も含む)を踏まえたもので、業務区分の見直しや試験制度の再編など、広範囲にわたる変更が行われています。
2.業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれる
これまで飲食料品製造業分野の業務区分は「飲食料品製造業全般」という1つの区分にまとめられていました。
改正後は、令和9年4月1日以降、業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」の2つに分割されます。
閣議決定日から令和9年3月31日までの間は、従来どおり「飲食料品製造業全般」の扱いが継続する経過措置が設けられています。
これに伴い、試験制度も再編されます。
従来の「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」に加え、水産加工業向けに「水産加工業特定技能1号評価試験」「水産加工業特定技能2号評価試験」が新設されます。
あわせて、試験名称の呼称も「技能測定試験」から「評価試験」に変更されました。
令和9年3月31日までに旧試験(技能測定試験)に合格した者は、新試験(評価試験)に合格したものとみなす経過措置が設けられています。
3.2号特定技能外国人に日本語要件が新設
これまで2号特定技能外国人には、技能水準・実務経験の要件はあっても、明確な日本語能力水準の要件はありませんでした。
改正後は、令和9年4月1日以降、2号特定技能外国人にも「日本語教育の参照枠」B1相当以上(日本語能力試験N3以上で、かつCEFRのB1相当以上と判定された場合に限る)の日本語能力が求められることになります。
ただし、具体的な運用の詳細については別途案内される予定です。
4.対象事業所に「食肉小売業」が追加
特定技能外国人を雇用できる事業所の範囲(日本標準産業分類による指定)に、新たに「食肉小売業(食料品製造を行うものに限る)」が追加されました。
食肉小売業を営みながら食料品製造も行っている事業者も、新たに受入れ対象に含まれることになります。
5.技能実習2号からの移行要件が整理
技能実習2号を良好に修了した者が特定技能1号に移行する場合の、技能試験・日本語試験の免除要件も整理されました。
技能実習2号で修得した技能と、特定技能1号で従事しようとする業務の技能に関連性が認められる場合、令和9年4月1日以降も当分の間、必要な技能水準の証明は不要とされます。
また、技能実習2号を良好に修了した事実をもって日本語能力を有していることも証明されたものとみなされ、日本語試験を別途受験する必要はありません。
6.新設「育成・キャリア形成プログラム」
今回の改正では、新たに「育成・キャリア形成プログラム」という章が設けられました。
農林水産省が関係業界等と協働して、育成就労・特定技能1号・特定技能2号を通じた飲食料品製造業分野の育成プログラムを策定するというもので、各レベルの業務内容や習熟の目安となる年数、レベルアップに必要な経験・実績・資格などが示される予定です。
特定技能・育成就労の両制度を通貫したキャリアパスの指針として、農林水産省のホームページで公表される見込みです。
7.事業者が今から確認すべきこと
- 自社が受け入れている(または受け入れを検討している)人材が、令和9年4月以降「飲食料品製造業」「水産加工業」のどちらの業務区分に該当するかを確認する
- 2号特定技能外国人の受入れを検討している場合、日本語能力水準(B1相当以上)の要件充足を見込んだ採用・育成計画を立てる
- 食肉小売業を営んでいる場合、今回の対象事業所追加により新たに受入れ対象となるか確認する
- 農林水産省が公表する「育成・キャリア形成プログラム」の内容を確認し、社内の育成計画に反映する
8.よくある質問(FAQ)
Q.業務区分の変更はいつから適用されますか?
A.令和9年4月1日からです。
それまでの間(閣議決定日から令和9年3月31日まで)は、従来どおり「飲食料品製造業全般」という区分のまま運用されます。
Q.現在受け入れている2号特定技能外国人にも新しい日本語要件は適用されますか?
A.令和9年4月1日以降、2号特定技能外国人には日本語教育の参照枠B1相当以上の水準が求められることになります。
ただし取扱いの詳細は別途案内される予定です。
Q.技能実習2号を修了していれば、必ず試験が免除されますか?
A.技能実習2号で修得した技能と、特定技能1号で従事する業務の技能に関連性が認められる場合に、技能試験の証明が不要となります。
関連性が認められない場合は、通常どおり試験の合格が必要です。
まとめ
今回の改正内容をまとめると、次のとおりです。
- 令和8年8月28日、飲食料品製造業分野の運用要領が改正された
- 令和9年4月1日から業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分割され、試験も再編される
- 2号特定技能外国人に日本語能力水準(B1相当以上)が新たに求められる
- 対象事業所に「食肉小売業(食料品製造を行うものに限る)」が追加された
- 新たに「育成・キャリア形成プログラム」が農林水産省により策定される
自社が該当する業務区分や、令和9年4月からの要件変更にどう対応すべきかについて不安がある場合は、ぜひ一度、行政書士などの専門家にご相談ください。
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最終更新日:2026年8月28日
