【特定技能】資源循環分野とは?令和9年4月開始に向けて廃棄物処理業者が知っておきたいこと
資源循環分野とは、令和8年1月23日の閣議決定で新たに追加された特定技能・育成就労の対象分野です。業務区分は「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分で、所管省庁は環境省です。育成就労制度の開始にあわせ、令和9年4月からの受入れが見込まれています。
受入れ機関には、廃棄物処理関連法令に基づく許可・認定に加え、環境省が設置する協議会への加入や優良機関認証の取得などが求められます。
この記事では、資源循環分野の対象業務、受入れ見込数、受入れ機関に求められる基準について解説します。
目次
- 資源循環分野とは
- 受入れ見込数はどれくらい?
- 対象となる業務区分
- 受入れ機関に求められる基準
- 事業者が今から確認すべきこと
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1.資源循環分野とは
資源循環分野とは、廃棄物処分業のうち、主に中間処理業務に外国人材が従事するための、特定技能および育成就労の対象分野です。
令和8年1月23日に閣議決定された分野別運用方針において、新たに追加された分野の一つであり、所管省庁は環境省です。
同時に新たな対象分野として追加された物流倉庫分野、リネンサプライ分野とあわせて、資源循環分野は今後、外国人材の受入れが進められる新しい分野となります。
これまで廃棄物処理業では、特定技能制度を活用できる業務が限られていました。しかし、新たに資源循環分野が設けられたことで、中間処理を行う事業者にとって、外国人材の採用・育成の選択肢が広がることになります。
2.受入れ見込数はどれくらい?
出入国在留管理庁・厚生労働省が示す分野別運用方針では、資源循環分野の受入れ見込数について、令和11年3月末までの累計で次の人数が示されています。
| 区分 | 受入れ見込数 |
|---|---|
| 特定技能1号 | 900人 |
| 育成就労 | 3,600人 |
| 分野全体(合計) | 4,500人 |
特定技能1号だけを見ると、900人という比較的小規模なスタートです。
一方、育成就労では3,600人の受入れが見込まれており、分野全体では4,500人となります。
育成就労制度は令和9年4月からの開始が予定されているため、資源循環分野についても制度開始にあわせた受入れが想定されています。
今後、制度の利用状況や人手不足の状況によっては、受入れ規模が拡大していく可能性もあります。
3.対象となる業務区分
資源循環分野の業務区分は、「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分のみです。
建設分野や鉄道分野のように複数の業務区分へ細分化されている分野とは異なり、資源循環分野では、中間処理に関する業務が一つの区分として整理されています。
対象となるのは、一般廃棄物・産業廃棄物の中間処理です。
中間処理とは、廃棄物をそのまま最終処分するのではなく、減量化や再資源化などを目的として、次の工程に適した状態へ処理することをいいます。
具体的には、次のような処理が想定されます。
- 選別
- 破砕
- 圧縮
- 解体
- 焼却
- 中和
- その他、減量化・再資源化・再商品化・有価物化等のために行う処理
例えば、複数の種類の廃棄物が混在しているものを選別する作業や、大型の廃棄物を破砕して処理しやすくする作業、焼却によって減容化・無害化を行う作業などが、中間処理に該当します。
なお、具体的にどこまでの業務が特定技能外国人・育成就労外国人の従事対象となるかについては、今後公表される運用要領等を確認する必要があります。
4.受入れ機関に求められる基準
環境省は令和8年7月30日、資源循環分野に特有の受入れ機関の基準を環境省告示第三十六号で定めました。
資源循環分野で特定技能外国人を受け入れる事業者は、主に次のような要件を満たす必要があります。
(1)関連法令に基づく許可または認定を受けていること
受入れ機関は、廃棄物処理法をはじめ、次のような関連法令に基づく許可または認定を受けている必要があります。
- 廃棄物処理法
- 容器包装リサイクル法
- 家電リサイクル法
- 小型家電リサイクル法
- プラスチック資源循環促進法
- 再資源化事業等高度化法
つまり、資源循環に関する一定の許可・認定を有する事業者であることが前提となります。
(2)環境省が設置する協議会の構成員であること
受入れ機関は、環境大臣が設置する「資源循環分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会」の構成員である必要があります。
特定技能制度では、分野によって協議会への加入が受入れ要件となっています。
資源循環分野でも、単に在留資格の申請を行えばよいのではなく、事前に協議会への加入が必要となる点に注意が必要です。
(3)優良機関認証を受けていること
資源循環分野の大きな特徴の一つが、協議会による優良機関認証が求められている点です。
したがって、廃棄物処理業の許可を保有しているだけでは、受入れ機関の要件を満たしません。
協議会への加入に加え、優良機関認証を取得することが受入れの前提となります。
(4)協議会への協力や調査・指導への対応
受入れ機関には、協議会で協議が調った事項について必要な措置を講じることや、協議会への協力が求められます。
また、環境大臣またはその委託を受けた者が行う調査・指導等にも協力する必要があります。
(5)登録支援機関に支援を委託する場合の注意
特定技能外国人への支援について、支援計画の全部を登録支援機関に委託する場合には、必要な基準を満たす登録支援機関に委託する必要があります。
そのため、登録支援機関へ委託すればすべて任せられるというわけではなく、委託先についても資源循環分野の制度に対応できるか確認することが重要です。
(6)実務経験を証明する書面の交付
特定技能外国人から求めがあった場合には、実務経験を証明する書面を交付することも求められます。
これは、外国人本人が将来的にキャリアを証明する際にも重要となるため、受入れ企業側では雇用管理や業務経験の記録を適切に行う必要があります。
5.事業者が今から確認すべきこと
令和9年4月の育成就労制度開始に向けて、資源循環分野で外国人材の受入れを検討している事業者は、早めに準備を進めることが重要です。
① 自社の許可・認定を確認する
まず、自社が保有している廃棄物処理関連の許可・認定を整理しましょう。
自社の事業内容や保有する許可が、資源循環分野の受入れ機関に求められる要件に該当するかを確認する必要があります。
② 協議会への加入方法を確認する
協議会への加入は受入れの重要な要件です。
今後、環境省や関係機関から加入方法や手続の詳細が案内されると考えられるため、継続的に情報を確認しましょう。
③ 優良機関認証の取得要件を確認する
資源循環分野では、協議会への加入だけでなく、優良機関認証の取得が必要です。
認証にあたってどのような基準が設けられるのか、どのような書類や体制整備が必要になるのかを早めに確認することが重要です。
④ 外国人の雇用・支援体制を整える
特定技能外国人を雇用する場合には、雇用契約だけでなく、生活支援や各種届出など、特定技能制度特有の対応が必要になります。
自社で支援を行うのか、登録支援機関へ委託するのかについても、事前に検討しておくとよいでしょう。
⑤ 今後の制度情報を継続的に確認する
資源循環分野は新しく設けられた分野です。
今後、技能水準、日本語能力水準、試験、運用要領などの詳細が順次公表される可能性があります。
環境省や出入国在留管理庁の最新情報を継続的に確認することが重要です。
6.よくある質問(FAQ)
Q.どのような事業者が受入れ機関の対象になりますか?
A.主に、一般廃棄物や産業廃棄物の中間処理を行い、関連法令に基づく許可または認定を受けている事業者が対象となります。
さらに、環境省が設置する協議会の構成員となり、優良機関認証を受けることが必要です。
中間処理には、例えば次のような処理が含まれます。
- 選別:様々な種類が混在した廃棄物を、適切に処理するために分別する工程
- 破砕:大型の廃棄物などを細かくし、焼却や再資源化を行いやすくする工程
- 焼却:廃棄物を燃やすことで減容化し、腐敗防止や無害化を図る工程
- 中和:酸性・アルカリ性の物質などを安全な状態に調整する処理工程
なお、扱う廃棄物の品目や処理方法については、今後の詳細な制度運用を確認する必要があります。
Q.廃棄物処理業の許可があれば受入れ機関になれますか?
A.いいえ。許可を保有しているだけでは受入れ機関の要件を満たしません。
関連法令に基づく許可・認定を受けていることに加え、環境省が設置する協議会の構成員となり、さらに優良機関認証を受ける必要があります。
Q.いつから外国人の受入れができますか?
A.育成就労制度については、令和9年4月からの制度開始にあわせて受入れが見込まれています。
特定技能についても、今後、分野別の制度運用や試験等の詳細が整備されていくことが想定されます。
7.まとめ
資源循環分野は、今後、廃棄物処理業界における人手不足対策の新たな選択肢となる可能性があります。
今回のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 資源循環分野は、令和8年1月23日の閣議決定で追加された特定技能・育成就労の新分野
- 所管省庁は環境省
- 受入れ見込数は、特定技能1号900人、育成就労3,600人、合計4,500人
- 業務区分は「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分のみ
- 受入れ機関になるには、関連法令に基づく許可・認定が必要
- さらに、環境省が設置する協議会への加入と優良機関認証の取得が必要
- 育成就労制度の開始が予定されている令和9年4月に向け、早めの準備が重要
資源循環分野は新設分野であるため、今後も受入れ要件や試験制度、具体的な運用方法などの情報が追加される可能性があります。
自社が資源循環分野で受入れ機関の基準を満たせるか、協議会への加入や優良機関認証の取得について不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、制度開始に向けて準備を進めることをおすすめします。
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最終更新日:2026年8月10日
