【育成就労制度】技能実習受入れ企業が令和9年4月までに準備すべきこと|経過措置Q&Aを解説
「技能実習制度が育成就労制度へ移行するが、自社はいつまでに何を準備すればよいのだろうか?」
施行日が近づくにつれ、このようなご相談をいただく機会が増えています。
出入国在留管理庁と厚生労働省は、2026年4月22日に「技能実習経過措置Q&A」を公表しました。
育成就労制度は令和9年4月1日に施行されますが、現在技能実習生を受け入れている企業や監理団体には、施行日前後の経過措置が設けられています。
今回は、経過措置のポイントと、令和9年4月までに企業が準備しておきたい事項について解説します。
1.施行日前から実習中の技能実習生は、そのまま技能実習を継続できる
まず押さえておきたいのは、施行日前に認定を受けた技能実習計画に基づいて実習を行っている外国人については、育成就労制度の施行後も引き続き技能実習を継続できるという点です。
令和9年4月1日時点で技能実習中の方は、
- 在留資格「技能実習」のまま実習を継続できる
- 在留期間の更新も可能
- 技能実習1号から2号への移行も従来どおり可能
となっています。
現在受け入れている技能実習生については、制度開始と同時に育成就労へ切り替わるわけではありません。
2.新規の技能実習生は「令和9年6月30日までの入国」が実質的な期限
企業が特に注意したいのが、新たに技能実習生を海外から受け入れるケースです。
施行日前までに、
- 技能実習計画の認定
- 在留資格認定証明書(COE)の交付
を受けていた場合でも、令和9年6月30日までに入国しなければ、技能実習として上陸することはできません。
また、施行日以降は新たな技能実習計画の認定申請はできなくなります。
今後、技能実習生の受入れを予定している企業は、
「計画認定→COE交付→入国」までを令和9年6月30日までに完了できるよう、早めに準備を進めることが重要です。
3.技能実習3号への移行には「技能実習2号を1年以上」が必要
技能実習1号を修了した方は、施行後も技能実習2号へ進むことができます。
一方で、技能実習3号へ移行するためには、
令和9年4月1日時点で、技能実習2号として1年以上実習していること が必要です。
逆算すると、
令和8年4月1日までに技能実習2号を開始していること が条件となります。
技能実習3号への移行を予定している企業は、対象者ごとの実習開始日を早めに確認しておくことをおすすめします。
4.監理団体は監理支援機関への許可申請を早めに
育成就労制度では、現在の監理団体は「監理支援機関」へ移行することになります。
そのため、現在監理団体として活動している場合でも、新たに監理支援機関としての許可を取得しなければなりません。
監理支援機関の許可申請は令和8年4月15日から受付が開始されています。
出入国在留管理庁では、事業開始予定日の6か月以上前までの申請を推奨しています。
令和9年4月1日の施行と同時に事業を開始したい場合は、令和8年9月30日頃までの申請を目安に準備を進めると安心です。
5.元技能実習生の再来日には制限がある
見落としやすいポイントとして、技能実習を修了して帰国した元実習生を、育成就労制度で再び受け入れたいというケースがあります。
この場合、過去の技能実習期間は育成就労期間として通算されます。
そのため、2年以上技能実習を行った外国人が、異なる分野で育成就労として再来日することは、原則として認められません。
元技能実習生の再雇用を検討している企業は、過去の実習期間や実習分野を事前に確認し、制度上受入れが可能かどうかを確認しておく必要があります。
6.育成就労計画の認定申請は令和8年9月1日から開始予定
育成就労制度による受入れを予定している企業向けに、
育成就労計画の認定申請は令和8年9月1日から開始される予定です。
申請方法などの詳細については、外国人技能実習機構から順次案内される予定となっています。
制度開始後にスムーズに受入れを進めるためにも、計画書の作成や社内体制の整備は早めに着手しておきたいところです。
7.今から企業が準備しておきたいこと
育成就労制度への移行に向け、受入れ企業は次の点を確認しておきましょう。
- 現在受け入れている技能実習生の実習期間と在留資格を確認する
- 新規受入れ予定がある場合は、令和9年6月30日までの入国スケジュールを逆算する
- 技能実習3号への移行予定者は、技能実習2号の開始日を確認する
- 監理団体は監理支援機関の許可申請を令和8年9月30日までに準備する
- 育成就労制度による受入れを予定している場合は、令和8年9月から始まる育成就労計画の認定申請に向けた準備を進める
8.まとめ
育成就労制度の施行日は令和9年4月1日ですが、受入れ企業や監理団体は、それまでに対応すべき事項が数多くあります。
特に、
- 施行日前から実習中の技能実習生はそのまま技能実習を継続できる
- 新規の技能実習生は令和9年6月30日までに入国する必要がある
- 技能実習3号への移行には、施行日時点で技能実習2号を1年以上行っていることが必要
- 監理支援機関への許可申請は早めの準備が重要
- 元技能実習生の再来日には一定の制限がある
といった経過措置は、対象者ごとに適用関係が異なります。
制度移行期は、手続の期限を一つ逃すだけでも受入れ計画に大きな影響が生じる可能性があります。自社の技能実習生への対応や、育成就労制度への移行準備について不安がある場合は、早めに行政書士などの専門家へご相談ください。

