【特定技能1号】分野別受入れ見込数と充足率を解説|採用を急ぐべき分野はどこか(令和8年7月時点)

「特定技能で外国人材を採用したいが、自社の分野はまだ受入れの余地があるのだろうか?」

最近、このようなご相談をいただく機会が増えています。

出入国在留管理庁は2026年7月3日、「特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等(令和8年3月末時点・速報値)」を公表しました。

分野ごとに充足率には大きな差があり、採用のタイミングを左右する重要なデータとなっています。

今回は最新の公表資料をもとに、採用を急ぐべき分野と、まだ比較的余裕のある分野について解説します。


1.受入れ見込数とは?

受入れ見込数とは、政府が令和8年1月23日の閣議決定で定めた、令和11年3月までに特定技能1号として受け入れる人数の目安です。

法的な上限人数ではありませんが、人手不足の状況を踏まえて分野ごとに設定された政策上の目標値であり、制度運用の重要な指標となっています。

令和8年3月末時点では、

  • 受入れ見込数:805,700人
  • 在留者数:404,527人
  • 充足率:50.2%

となっており、全体ではまだ約半数程度の充足状況です。


2.外食業はすでに新規受入れを停止

現在、最も注意が必要なのが外食業分野です。

外食業は、

  • 受入れ見込数:50,000人
  • 在留者数:47,714人
  • 充足率:95.4%

まで達しています。

この状況を受け、出入国在留管理庁は令和8年4月13日から、外食業分野における在留資格認定証明書(COE)の新規受付を一時停止しています。

対象となるのは海外から新たに呼び寄せるための認定証明書交付申請です。

一方で、国内在住者への在留資格変更など、すべての手続が停止しているわけではありません。

そのため、外食業で人材確保を予定している事業者は、

  • 技能実習からの移行
  • 国内在住の同分野 特定技能人材の採用

など、国内人材を活用した採用ルートも検討する必要があります。


3.採用を急ぎたい分野

外食業ほどではありませんが、次の分野も充足率が高くなっています。

飲食料品製造業

  • 受入れ見込数:133,500人
  • 在留者数:96,367人
  • 充足率:72.2%

建設分野

  • 受入れ見込数:76,000人
  • 在留者数:51,055人
  • 充足率:67.2%

外食業では実際に新規受付停止措置が取られたことを考えると、これらの分野でも今後同様の措置が講じられる可能性は否定できません。

採用を予定している場合は、人材募集だけでなく、送出機関や登録支援機関との調整、在留資格申請の準備まで含めて、早めに進めることをおすすめします。


4.まだ受入れに余裕がある分野

一方で、比較的充足率が低く、今後の採用余地が大きい分野もあります。

自動車運送業

令和6年3月に追加された新分野で、充足率は**1.5%**です。

鉄道分野

こちらも令和6年3月追加分野で、充足率は**2.0%**となっています。

林業・木材産業

いずれも令和6年3月追加分野で、

  • 林業:0.9%
  • 木材産業:0.8%

と、まだ制度利用は始まったばかりです。

リネンサプライ・物流倉庫

令和8年1月に新たに追加された分野であり、本資料では在留者数はまだ集計されていません。

これらの分野は制度開始から日が浅いため、今後人材獲得競争が本格化することが予想されます。

早めに受入れ体制を整備することで、他社より先に人材を確保できる可能性があります。


5.事業者が今確認しておきたいポイント

特定技能の採用を検討している事業者は、次の点を確認しておくことをおすすめします。

  • 外食業では新規認定証明書交付申請が停止していることを踏まえ、採用計画を見直す
  • 自社が属する分野の充足率を確認する
  • 充足率が高い分野では早めに採用活動と申請準備を進める
  • 新規追加分野では、制度の対象業務に自社業務が含まれるかを要領別冊などで確認する
  • 今後の閣議決定や制度改正により受入れ見込数が変更される可能性もあるため、最新情報を継続的に確認する


6.まとめ

令和8年3月末時点における特定技能1号の充足率は**全体で50.2%**となっています。

一方で、分野ごとの差は大きく、

  • 外食業は充足率95.4%で新規認定証明書交付申請を一時停止
  • 飲食料品製造業・建設は充足率が高く、早めの採用判断が望まれる
  • 自動車運送業・鉄道・林業・木材産業などはまだ充足率が低く、今後の採用チャンスが大きい

という状況です。

特定技能制度は、制度改正や運用変更によって採用のしやすさが大きく変わることがあります。

自社の業種でどのような採用方法が適しているのか、在留資格申請をどのタイミングで進めるべきかお悩みの際は、お気軽に行政書士へご相談ください。